アメリカ精神医学界ではうつ病の代表症状を9つに絞り診断基準で以下の項目を挙げています(一部簡略化して記載)。
(1)の抑うつ気分は憂うつとも表現できますが、精神科のエキスパートである笠原嘉先生は憂うつの三要素として下記のように示しておられます。
おっくう感は意欲・気力の低下であり上記診断基準では(6)に当てはまると言えそうです。
Lamらのうつ病患者の症状調査の報告でも気分のしずみに続き、気力の低下、不安が上位でした。
また英国の調査でも1番多いのは(6)疲労感でした。
他に体の痛み、下痢、胃痛といった体の症状がでることもあります。
また再発の観点から見ると不眠、不安の残存は再発につながりやすいことがわかっています(Isral JA, 2010)。
以上から診断基準とは別に、エキスパートオピニオン(専門家の意見)、臨床データから見えてくる下記の症状も順番も含めて代表的なうつの症状といえます。
→ 気分がしずみ、憂うつな気持ちが続く。
→ 仕事や家事をやる気になれない、朝起きられない、すぐに疲れてしまう、休日は1日中寝込んでしまうようになったなど。
→ 不安や緊張感が高まるようになった。普段は大丈夫であった仕事内容にも不安、緊張するようになったなど。
→ なかなか寝付けない。寝ても夜中、朝方目が覚めてしまう。
→ 頭痛が続くようになった。背中、腰が痛む。胃痛がする、ゲップがよく出るようになった。毎日下痢になったなど。
気になる症状、当てはまる症状があるようでしたら早めの受診が推奨されます。