公開日 2025.6.27
作用・特徴
四物湯(シモツトウ)は月経不順、冷え性、産後の疲労回復、血の道症等に使用されています(図1)。
図1 四物湯の効果
四物湯は他の漢方薬と一緒に使用されることが多くあります。
苓桂朮甘湯と四物湯を合わせた処方は、連珠飲の名称でめまいの強い更年期障害等に使用されます。
桂枝加芍薬湯と四物湯を合わせた処方は、神田橋処方と呼ばれ、フラッシュバックに使用されています。
四物湯は血液や循環器系に作用し、血流改善等を促し、効果を発揮すると考えられています1)。
使用目標(証)は、比較的体力の低下した人で、手足が冷え、諸種の出血や貧血の徴候があり、皮膚の枯燥傾向のある場合に用いる。
- 月経不順、自律神経失調症状などを伴う婦人
- 腹部軟弱で臍傍に動悸を触れる場合
とされています。
図2 四物湯の東洋医学的使用目標
四物湯は、以下の生薬から構成されています(図3)。
- 地黄(ジオウ)
- 芍薬(シャクヤク)
- 川芎(センキュウ)
- 当帰(トウキ)
図3 四物湯の構成生薬
剤型
医薬品のツムラの漢方薬(71番)は1包顆粒2.5gとなっています(図4)。
図4 四物湯の剤型(ツムラ医療用)
効能・効果
効能・効果は以下となっています。
皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症:
- 産後あるいは流産後の疲労回復
- 月経不順
- 冷え症
- しもやけ
- しみ
- 血の道症
用法・用量[ツムラ四物湯(医療用)]
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に内服する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減するとなっています。
副作用
消化器:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等
参考
- 1) Takiyama M, et al.: Pharmacokinetic study of traditional Japanese Kampo medicine shimotsuto used to treat gynecological diseases in rats. J Nat Med, 75: 361-371, 2021.
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