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高齢者のうつ病に対する
抗うつ薬の選択

はじめに

高齢者のうつ病の世界的な有病率は、2022年度において28.4%と非常に高いことが報告されています1)。

高齢者のうつ病治療では疾患の鑑別、心理・社会的背景の理解と評価をもとにした介入が重要とされています2)。

薬物治療においては、現時点での日本のガイドライン(2020年版)では、抗うつ薬の有効性は認められるものの、各抗うつ薬間での位置づけの記載はなく、慎重な選択と使用が求められる状況です2)。

英国のNICEガイドラインやモーズレイ処方ガイドライン等においても同様で薬剤選択は症状、合併症等の個別性を背景に選択されています。

現在のエビデンス

Tham Aらが2016年に報告した高齢者のうつ病に対する薬物治療の有効性と忍容性の比較の解析では、SSRIは反応と寛解いずれにおいてもプラセボと差がつかない結果でした。

寛解においてデュロキセチンが優れている結果でした4)。

その後、Krause Mらは2019年に高齢者のうつ病に対する薬物治療及び非薬物治療の有効性と忍容性の比較の解析を報告しています5)。

抑うつ症状の50%改善を反応率として有効性を評価したところ、プラセボと比較し、

が有効な結果でした(図1)。

図1 高齢者のうつ病に対する抗うつ薬の有効性(反応:50%改善)

寛解率ではクエチアピンミルタザピンデュロキセチンがプラセボと比較し有効でした(図2)。

図2 高齢者のうつ病に対する抗うつ薬の有効性(寛解)

忍容性は

の順にプラセボと比較し不良な結果でした(図3)。

図3 高齢者のうつ病に対する抗うつ薬の忍容性

デュロキセチンは高齢者のうつ病に効果があるものの、ノルアドレナリン活性による口渇、便秘、尿閉等の副作用が若年者より生じやすくなります6)。

また、デュロキセチンは高齢者のうつ病治療において転倒のリスクを増加させることが報告されています7)。

そのため、腰痛等の疼痛を合併する高齢者のうつ病に効果的な薬剤であるものの、フレイルやうつ病で運動機能が低下している状態においては慎重な使用を要します。

高齢者では身体的健康度の低下、慢性疾患、入眠困難がうつ病のリスクを増加させ、IADL(手段的日常生活動作)の低下、視力低下は特にリスクとなることがなることが報告されています8)。

作業療法で行われている園芸療法は身体的機能を高めるとともに、高齢者のうつ症状の改善に有効であることが報告されています9)、10)。

また、社会的孤立、孤独感も高齢者におけるうつ病のリスクであり11)、12)、ソーシャルキャピタルの醸成も大きな課題と言えます。

文献

  • 1)Hu T, et al. : Prevalence of depression in older adults: A systematic review and meta-analysis. Psychiatry Res, 311 : 114511, 2022.
  • 2)日本うつ病治療ガイドライン. 高齢者のうつ病治療ガイドライン. 日本うつ病学会, 2020.
  • 3)David M., et al. : The Maudsley Prescribing Guidelines in Psychiatry, 14th edition. 2021.
  • 4)Tham A, et al. : Efficacy and tolerability of antidepressants in people aged 65 years or older with major depressive disorder - A systematic review and a meta-analysis. J Affect Disord, 205 : 1-12, 2016.
  • 5)Krause M, et al. : Efficacy and tolerability of pharmacological and non-pharmacological interventions in older patients with major depressive disorder: A systematic review, pairwise and network meta-analysis. Eur Neuropsychopharmacol, 29 : 1003-1022, 2019.
  • 6)Dhillon S.: Duloxetine: a review of its use in the management of major depressive disorder in older adults. Drugs Aging, 30 : 59-79, 2013.
  • 7)Sobieraj DM, et al. : Adverse Effects of Pharmacologic Treatments of Major Depression in Older Adults. J Am Geriatr Soc, 67 : 1571-1581, 2019.
  • 8)Maier A, et al. : Risk factors and protective factors of depression in older people 65+. A systematic review. PLoS One, 16 : e0251326, 2021.
  • 9)Lin Y, et al. : Effectiveness of horticultural therapy on physical functioning and psychological health outcomes for older adults: A systematic review and meta-analysis. J Clin Nurs, 31 : 2087-2099, 2022.
  • 10)Zhang YW, et al. : The effect of horticultural therapy on depressive symptoms among the elderly: A systematic review and meta-analysis. Front Public Health, 10 : 953363, 2022.
  • 11)Domènech-Abella J, et al. : Anxiety, depression, loneliness and social network in the elderly: Longitudinal associations from The Irish Longitudinal Study on Ageing (TILDA). J Affect Disord, 246 : 82-88, 2019.
  • 12)Santini ZI, et al. : Social disconnectedness, perceived isolation, and symptoms of depression and anxiety among older Americans (NSHAP): a longitudinal mediation analysis. Lancet Public Health, 5 : e62-e70, 2020.

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