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不眠症(睡眠障害)について

不眠の症状

不眠は寝つきの悪い「入眠困難」、夜間に目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠り全体が浅く、ぐっすり眠れた気がしない「熟眠障害」に大きく分類されます。

これらが単独で生じる場合もあれば、複合して生じることもあります。

また、これらの不眠症状により、日中の機能障害が生じることも症状の一つです。

日中の機能障害には、勉強に集中できない、仕事でミスがでるといったものから居眠り運転による交通事故といった重大なものまで幅広く含まれます。

疫学

日本人の不眠の有病率は男性が約12.2%、女性が14.6%と報告されています。

男性では入眠困難が8.3%、中途覚醒が5.8%、早朝覚醒が5.8%、女性ではそれぞれ11.0%、8.1%、7.4%と報告されています1)、(図1)。

図1 日本人の不眠症状の割合

従来から他国と比較し日本人の睡眠時間が短いことがわかっていました2)

現在は世界の平均睡眠時間は7.5時間ですが、国内調査では日本人の平均睡眠時間は6時間と世界で最も睡眠時間が短いことが報告されています3)。

不眠の合併症

睡眠時間の不足は死亡、糖尿病、高血圧、心疾患、肥満に関連することが報告されています4)。

不眠症はうつ病、自殺のリスク因子であることも報告されています5)、6)、(図2)。

図2 不眠症の自殺リスク

高齢者の睡眠時間の不足ではアルツハイマー型認知症の原因の一つとされるアミロイドβの蓄積が多く、認知機能検査の結果が悪かったことが報告されています7)、(図3)。

図3 高齢者の睡眠不足と脳内アミロイドβ蓄積・認知症スクリーニング検査スコアの関連

画像研究

近年の画像研究では、うつ病と不眠症がデフォルトモード・ネットワークという脳内の共通の接続系を介した部位(及びその活動)があり、この接続系の異常が不眠にも関与していることが示唆されています8)、9)。

鑑別診断

うつ病による不眠の他、不眠の原因となる疾患に伴い不眠が生じていないか鑑別が必要になります。

代表的なものとして、以下の疾患などがあります。

  • 睡眠時無呼吸症候群
    睡眠時のいびき、無呼吸を伴い、中途覚醒や日中の眠気が生じます。いびきや無呼吸の自覚症状はなく、日中の眠気のみが気になるということも多いです。
  • レストレスレッグス症候群
    夕方から夜間にかけて下肢のムズムズ感、違和感が生じる疾患で不眠につながります。
  • レム睡眠行動障害
    レム睡眠中にみる夢に伴い起きて歩き回るなどの行動が生じます。悪夢に伴うことが多いため、大声を出したり、寝室の壁を叩くなどの行動障害も生じます。
  • アレルギー性鼻炎
    アレルギー性鼻炎は鼻の痒みや鼻詰まりが生じ、夜間の不眠に関連することが報告されています10)。夜尿や起床時の頭痛をきたしやすいこともわかっており、これらの症状を伴うアレルギー性鼻炎の患者さんは、アレルギー性鼻炎のコントロールが十分にできているかの確認が必要になります。

治療

治療は生活習慣の改善や薬物治療が主に行われます。

生活習慣では控えることと、取り入れることとの2つにわけて考えます。

控えることが推奨されることは以下などがあげられます(図4)。

  • 就寝前2時間のブルーライトの暴露(スマートフォン、PCの使用)
  • 夕方以降のカフェイン摂取
  • 就寝前1時間の喫煙
  • 就寝前の飲酒

図4 不眠症改善のために就寝前に控えることが推奨されること

就寝前にブルーライトに暴露すると、眠りのホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまうことがわかっています11)。

そのため可能な限り、スマートフォン、PCの使用は控えると眠りやすくなります。

カフェインは寝つきが悪くなる(入眠困難)だけでなく、睡眠全体を通し、深い眠りの質も低下(深睡眠の減少)させてしまします12)。

カフェインの効果は個人差が大きいですが、効果は約3~6時間持続します13)。

そのため、カフェインに敏感な方は就寝時間の6時間前にはコーヒーやエナジードリンクを中止しておくと良いです。

女性で低用量ピルを内服している場合は、通常よりカフェインの作用が長く持続します14)。

喫煙は不眠と有意に関連していて、喫煙によるニコチンの覚醒効果により不眠が生じると考えられています15)、16)。

ストレスなどで不眠になると飲酒して寝るということがみられる場合がありますが、飲酒での睡眠ははじめは寝つきがよいですが、徐々にその効果が薄れ、かえって入眠困難となり、睡眠中の深い眠り(深睡眠)も減少し、中途覚醒が生じやすくなることがわかっています17)。

取り入れることが推奨されることは以下などがあげられます(図5)。

  • 朝の起床時間を一定にすること
  • 起床後にカーテンをあけて光を浴びること
  • 食事の時間を一定にすること
  • 日中の適度な運動

図5 不眠症改善のために取り入れることが推奨されること

朝の起床時間を一定にし、起床後に自然光を浴びることは体内時計を一定に整え、夕方以降のメラトニンの分泌を促進し、睡眠を安定させます18)、(図6)。

図6 メラトニン分泌の日内変動

食事時間が一定しないことは睡眠リズムの乱れに関連し、規則正しく食事時間を整えると睡眠が安定することが報告されています19)。

日中の適度な運動は主観的な睡眠の質の改善に有効であることが報告されています20)。

薬物治療では現在主に以下の治療薬が使用されています。

それぞれの薬の特徴につきましては別途各論として、コラムに記載しておりますのでご参照頂ければと思います。

不眠の合併症のリスクに加え、不眠症は慢性に経過しやすいことがわかっています21)。

また、うつ病に伴う不眠が残遺症状として持続している場合、うつ病の再発率が高くなることが報告されています22)。

そのため、早期に不眠の治療を開始し、不眠を改善することが望まれます。

文献

  • 1) Itani O, et al. : Nationwide epidemiological study of insomnia in Japan. Sleep Med, 25 : 130-138, 2016.
  • 2) Walch OJ, et al. : A global quantification of "normal" sleep schedules using smartphone data. Sci Adv, 2 : e1501705, 2016.
  • 3) Ito K, et al. : Large Questionnaire Survey on Sleep Duration and Insomnia Using the TV Hybridcast System by Japan Broadcasting Corporation (NHK). Int J Environ Res Public Health, 18 : 2691, 2021.
  • 4) Itani O, et al. : Short sleep duration and health outcomes: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression. Sleep Med, 32 : 246-256, 2017.
  • 5) Nakajima S, et al. : Higher sleep reactivity and insomnia mutually aggravate depressive symptoms: a cross-sectional epidemiological study in Japan. Sleep Med, 33 : 130-133, 2017.
  • 6) Simmons Z, et al. : Insomnia symptom severity is associated with increased suicidality and death by suicide in a sample of patients with psychiatric disorders. Sleep, 44 : zsab032, 2021.
  • 7) Winer JR, et al. : Association of Short and Long Sleep Duration With Amyloid-β Burden and Cognition in Aging. JAMA Neurol, 78 : 1187-1196, 2021.
  • 8) Bagherzadeh-Azbari S, et al. : Neuroimaging insights into the link between depression and Insomnia: A systematic review. J Affect Disord, 258 : 133-143, 2019.
  • 9) Xia G, et al. : Abnormalities of the Default Mode Network Functional Connectivity in Patients with Insomnia Disorder. Contrast Media Mol Imaging, 27 : 9197858, 2022.
  • 10) Liu J,ya et al. : The association between allergic rhinitis and sleep: A systematic review and meta-analysis of observational studies. PLoS One, 15 : e0228533, 2020.
  • 11) Cajochen C, et al. : Evening exposure to a light-emitting diodes (LED)-backlit computer screen affects circadian physiology and cognitive performance. J Appl Physiol, 110 : 1432-8, 2011.
  • 12) Clark I, Landolt HP. : Coffee, caffeine, and sleep: A systematic review of epidemiological studies and randomized controlled trials. Sleep Med Rev, 31 : 70-78, 2017.
  • 13) Mort JR, Kruse HR. et al. : Timing of blood pressure measurement related to caffeine consumption. Ann Pharmacother, 42 : 105-10, 2008.
  • 14) Teichmann AT. : Influence of oral contraceptives on drug therapy. Am J Obstet Gynecol, 163 : 2208-13, 1990.
  • 15) Hu N, et al. : Smoking and incidence of insomnia: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Public Health, 198 : 324-331, 2021.
  • 16) PhD AN, et al. : Smoke at night and sleep worse? The associations between cigarette smoking with insomnia severity and sleep duration. Sleep Health, 7 : 177-182, 2021.
  • 17) Koob GF, Colrain IM. : Alcohol use disorder and sleep disturbances: a feed-forward allostatic framework. Neuropsychopharmacology, 45 : 141-165, 2020.
  • 18) Burgess HJ, Eastman CI. : A late wake time phase delays the human dim light melatonin rhythm. Neurosci Lett, 395 : 191-5, 2006.
  • 19) Stutz B, et al. : Associations of chronotype and social jetlag with eating jetlag and their changes among German students during the first COVID-19 lockdown. The Chronotype and Nutrition study. Appetite, 180 : 106333, 2022.
  • 20) D'Aurea CVR, et al. : Physical exercise as a therapeutic approach for adults with insomnia: systematic review and meta-analysis. Einstein (Sao Paulo), 20 : eAO8058, 2022.
  • 21) Buysse DJ. : Insomnia. JAMA, 309 : 706-16, 2013.
  • 22) nada K, et al. : Effect of residual insomnia and use of hypnotics on relapse of depression: a retrospective cohort study using a health insurance claims database. J Affect Disord, 281 : 539-546, 2021.
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