公開日 2025.09.01
特徴・作用
ドリエルは寝つきの悪さを改善することで、不眠を改善します。
ドラッグストアで購入することができます。
ドリエルの成分は、ジフェンヒドラミンというもので、第1世代抗ヒスタミン薬という薬のジャンルに分類されます。
第1世代抗ヒスタミン薬には他に以下のようなものがあります。
- プロメタジン(ヒベルナ・ピレチア)
- ヒドロキシジン(アタラックスP)
- クロルフェニラミン(ポララミン)
もともと、アレルギー性鼻炎や、蕁麻疹の治療の目的で開発され、使用されましたが、眠気をきたす副作用がありました。
ヒスタミンは脳内で覚醒にかかわっているため、ブロックすると眠くなるためです。
この副作用を利用したのが、ドリエルです。
第1世代抗ヒスタミン薬は寝つきをよくすることがわかっています1)。
乗り物酔い止めのトラベルミンと、蕁麻疹用の薬のレスタミンコーワも同じジフェンヒドラミンです。
そのため、トラベルミンを乗り物酔い止めで内服した際に、眠くなってしまうのは、この作用のためです。
効能・効果
効能・効果は以下となっています。
一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い
用法・用量
用法・用量は15歳以上、1回2錠内服となっています。
剤型
剤型は1錠にジフェンヒドラミン25mg含有となっています。
図1 ドリエルの剤型
薬物動態
ドリエル2錠(ジフェンヒドラミン50mg)を内服した際の血中濃度は、約1.5時間後に最高濃度に達し、約8.6時間後に半減します。
図2 ドリエルを内服した際の血中濃度の推移
禁忌
原則として、ジフェンヒドラミンは以下の患者さんは禁忌です。
- 閉塞性緑内障の患者さん
- 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者さん
副作用
主な副作用には以下があります。
- 眠気
- めまい
- 疲労感
- 神経症状
- 胃腸症状
- 口渇
- 口唇・舌異常
その他にも、高齢者ではてんかんのリスクが他の年齢に比べ高くなります3)。
そのため、脳内に移行しやすい第1世代抗ヒスタミン薬は、けいれん発作を誘発するリスクがあるため注意が必要です。
また、抗ヒスタミン薬は、レストレスレッグス症候群のリスクとなります4)。
ドリエルをのんで足がムズムズする症状がでた場合は、レストレスレッグス症候群の可能性があります。
おひとりで悩んでいませんか?

まずはかかりつけ内科等で相談するのも1つの方法です。
文献
- 1)Tokunaga S, et al.: Effects of some H1-antagonists on the sleep-wake cycle in sleep-disturbed rats. J Pharmacol Sci, 103: 201-6, 2007.
- 2)Gelotte CK, et al.: Single-Dose Pharmacokinetic Study of Diphenhydramine HCl in Children and Adolescents. Clin Pharmacol Drug Dev, 7: 400-407, 2018.
- 3)Brodie MJ, et al.: Epilepsy in later life. Lancet Neurol, 8: 1019-30, 2009.
- 4)Bliwise DL, et al.: Medications associated with restless legs syndrome: a case-control study in the US Renal Data System (USRDS). Sleep Med, 15: 714-9, 2014.
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