公開日 2025.07.22
現在日本ではオレキシン受容体に作用する不眠症治療薬が3剤が上市され使用されています。
オレキシン受容体拮抗薬には以下の3剤があります。
2025年6月、クービビック・デエビゴ・ベルソムラの有効性と安全性の比較の解析が報告されました1)。
解析には以下の薬剤用量が含まれました。
- クービビック25mg/日
- クービビック50mg/日
- デエビゴ5mg/日
- デエビゴ10mg/日
- ベルソムラ20mg/日(65歳未満は15mg)
有効性の評価項目には以下が含まれました。
- 1カ月後の主観的な入眠時間
- 1カ月後の主観的な総睡眠時間
- 1カ月後の主観的な中途覚醒
- 1カ月後の不眠症重症度指数
1カ月後の主観的な入眠時間に対する有効性の比較では、デエビゴ10mgが優れている結果でした(図1)。
図1 オレキシン受容体拮抗薬の入眠時間に対する有効性の比較
1カ月後の主観的な総睡眠時間に対する有効性の比較では、クービビック50mgが優れている結果でした(図2)。
図2 オレキシン受容体拮抗薬の総睡眠時間に対する有効性の比較
1カ月後の主観的な中途覚醒に対する有効性の比較では、デエビゴ10mgが優れている結果でした(図3)。
図3 オレキシン受容体拮抗薬の中途覚醒に対する有効性の比較
1カ月後の不眠症重症度指数に対する有効性の比較では、ベルソムラ20mgと15mgが優れている結果でした(図4)。
図4 オレキシン受容体拮抗薬の不眠症重症度指数に対する有効性の比較
安全性の評価における、有害事象に中止率ではデエビゴ10mgが中止率の高い結果でした。
傾眠の発生率の比較では、デエビゴ10mgが特に発生リスクが高い結果でした(図5)。
図5 オレキシン受容体拮抗薬の傾眠の副作用の比較
転倒の発生率の比較では、いずれの薬剤でも、リスクの増加はみられませんでした。
悪夢や睡眠麻痺(金縛り)は頻度がまれであったため、今回の解析の対象とはなりませんでした。
デエビゴが入眠困難に効果があるのは、すでに実績のあるところですが、同様に翌日の持ち越し(眠気)も今回より明らかになりました。
これらから、効果と副作用のバランスを見た選択が必要と言えます。
クービビック50mgは、持ち越しの副作用はみられない結果で、総睡眠時間の確保にもすぐれており、全体としてバランスのいいオレキシン受容体拮抗薬といえるかもしれません。
悪夢や睡眠麻痺(金縛り)は頻度がまれであったため、解析の対象とならなかったものの、クービビックはその中でも、さらに頻度が少ない結果でした(図6)。
図6 オレキシン受容体拮抗薬の悪夢+異常な夢の比較
おひとりで悩んでいませんか?

まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの方法です。
参考
- 1)Kishi T, et al.: Comparative efficacy and safety of daridorexant, lemborexant, and suvorexant for insomnia: a systematic review and network meta-analysis. Transl Psychiatry, 15: 211, 2025.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
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- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症