公開日 2025.7.7
2025年6月、抗うつ薬の有効性と用量反応性の最新の解析が報告されました1)。
最も効果の高かった薬剤は日本未承認薬のトルデスベンラファキシンでオッズ比4.52でした。
日本未承認薬を除くと以下の順位でプラセボと比較し、有効な結果でした(図1)。
- アミトリプチリン(医薬品名:トリプタノール)
- ベンラファキシン(医薬品名:イフェクサーSR)
- デュロキセチン(先発医薬品名:サインバルタ)
- ミルタザピン(先発医薬品名:リフレックス・レメロン)
- ミルナシプラン(先発医薬品名:トレドミン)
- パロキセチン(先発医薬品名:パキシル)
- フルボキサミン(先発医薬品名:ルボックス・デプロメール)
- エスシタロプラム(先発医薬品名:レクサプロ)
- ボルチオキセチン(医薬品名:トリンテリックス)
- セルトラリン(医薬品名:ジェイゾロフト)
- クロミプラミン(医薬品名:アナフラニール)
- トラゾドン(医薬品名:デジレル・レスリン)
図1 急性期うつ病治療における抗うつ薬の有効性の比較
用量反応関係では、アミトリプチリンとクロミプラミンが、用量が増加すると効果反応が増加する結果でした(図2)。
図2 アミトリプチリンとクロミプラミンの用量反応関係性
一方で、他の薬剤は、用量が増加しても、効果は横ばいの結果でした。
SSRI、SNRIでは高用量が有効である決定的な証拠は欠如しており、最高用量が必ずしも推奨されないことは、従来から報告されていました2)、3)。
今回の報告では、有効性はSNRIの効果が高い結果でした。
用量反応関係は三環系抗うつ薬のアナフラニールとクロミプラミンでみられ、それ以外の薬剤は低用量で有効量に達する結果でした。
このことから、薬剤選択とともに、用量調整の決定も慎重に行われます。
うつ症状がある場合は、我慢せずに早めの心療内科・精神科への受診をおすすめします。
まずはかかりつけ内科等で相談するのも1つの方法です。
文献
- 1) Zhou S, et al.: Efficacy and dose-response relationships of antidepressants in the acute treatment of major depressive disorders: a systematic review and network meta-analysis. Chin Med J (Engl), 138: 1433-1438, 2025.
- 2) Braun C, et al.: In search of a dose-response relationship in SSRIs-a systematic review, meta-analysis, and network meta-analysis. Acta Psychiatr Scand, 142: 430-442, 2020.
- 3) Rink L, et al.: Dose-Response Relationship in Selective Serotonin and Norepinephrine Reuptake Inhibitors in the Treatment of Major Depressive Disorder: A Meta-Analysis and Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Psychother Psychosom, 91: 84-93, 2022.
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- パニック障害
- 適応障害
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- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
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- 発達障害
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- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
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