公開日 2026.1.8
Awakenings(目覚め現象)は、統合失調症患者が、第2抗精神病薬による治療で、急性期の幻覚妄想状態が改善し、自分自身が置かれていている状況に気がついた時に生じる心理反応のことを指します1)、2)。

頭の中で聞こえていた声(幻聴)が病気のせいだったと気がついたり、病苦の苦痛の解放とともに、自由を体感することがあります。

一方で以下のようなネガティブな感情を経験することがあるとも報告されています2)。
- 空虚感
- 幻滅
- 悲しみ
- 喪失感
- 怒り

特に病気が長期にわたっていた場合などは、病気によって失われていた自らの人生の可能性を自覚するにつれ、その苦しみは耐え難いものになるとされています2)。
そのため、自殺企図や自死のリスクにもなるため2)、3)、慎重な関わりと見守りが必要になります。

統合失調症当事者が抗精神病薬を内服し、治療することでは、以下の現象等を体験すると報告されています4)。
- 回復への希望
- 副作用とともに生きることを学ぶ
- 病気の受け入れ
- コントロールの問題(薬によって思考がかわってしまうという捉え方)
- 健康を保つことへの苦労
目覚めの時期に回復への希望や病気についての説明を行うことが、その後の治療を安定したものにすると思われます。

Awakenings(目覚め現象)は、もともとは、統合失調症当事者の現象として解釈されてきました。
しかし、現在は、認知症当事者が認知症症状の進行抑制薬で現実見当識を取り戻した時や、生きづらさの原因がわからなかった発達症当事者が、心理検査などを経て正確な診断に至り、治療薬で症状の改善が得られた時などにも、同様にawakenings(目覚め現象)が見られます。
疾患の領域を超え、awakenings(目覚め現象)を見守る必要があります。
文献
- 1) Weiden P, et al.: Atypical antipsychotic drugs and long-term outcome in schizophrenia. J Clin Psychiatry, 11:53-60, 1996.
- 2) Duckworth K, et al.: Lost time, found hope and sorrow: the search for self, connection, and purpose during "awakenings" on the new antipsychotics. Harv Rev Psychiatry, 5: 227-33, 1997.
- 3) 西山 聡, 他.: リスペリドン使用中に自殺企図をきたし, awakenings (目覚め現象) が疑われた統合失調症の1例. 鳥取医学雑誌, 35: 108-111, 2007.
- 4) Usher K.: Taking neuroleptic medications as the treatment for schizophrenia: A phenomenological study. Aust N Z J Ment Health Nurs, 10: 145-55, 2001.
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