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アリピプラゾール(エビリファイ)について

特性

統合失調症や双極性障害躁状態に使用される抗精神病薬は脳の中脳辺縁系と呼ばれるところのドパミンD2受容体アンタゴニスト(図1)として作用する薬が主でした。

日本の製薬会社の大塚製薬が開発したアリピプラゾール(先発医薬品名:エビリファイ)は従来のドパミンD2受容体アンタゴニストと作用が異なり、ドパミンが過剰な状態ではアンタゴニストして作用し、ドパミン活性が低下している状態では部分アゴニスト(図2)として作用します。

  図1

(A)ドパミンD2受容体アンタゴニスト

  図2

(B)ドパミンD2受容体部分アゴニスト)

このような特性からアリピプラゾールはドパミン伝達を過度に遮断することなく、バランスの良い伝達を維持します 1)、(図3)。この効果はドパミン・システムスタビライザーと呼ばれています。

  図3

アリピプラゾール(エビリファイ)のドパミン・システムスタビライズ機能

他にセロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト、セロトニン5HT2A受容体アンタゴニスト作用をもっています。

ドパミンD2、D3受容体に高い親和性を示します(強くくっつきます)が、ヒスタミンH1には中程度、ムスカリンM1、M2、M3には低い親和性である(弱くくっつきます)ことがわかっています。

このような薬剤プロフィールから他剤との比較で体重増加を認めにくい(図4、5)、プロラクチンというホルモンの上昇が生じない(むしろ軽度に低下する傾向がある)(図6、7)、脈拍への影響が生じにくい(正確にはQT延長という脈の一部の延長が生じにくい)(図8)といった特性が挙げられます 2)、3)。

  図4

体重増加に関する他剤との比較

  図5

アリピプラゾールのプロラクチン値への影響

  図6

プロラクチンというホルモンの上昇

  図7

アリピプラゾールのプロラクチン値への影響

  図8

体重、メタボリックの面での評価が高いですが、高プロラクチン血症をきたさないという点も優れた一面です。

薬剤による高プロラクチン血症は性機能障害や乳汁分泌をきたすことがありますが、長期的には骨密度の低下に伴う骨粗鬆症のリスクを増加させます。

アリピプラゾールはプロラクチン値を正常に保ち、骨代謝を安定することが示されています 4)。

この特性は、高齢化社会を迎える中でフレイル対策の観点からも有用と言えます。

効果・効能

日本での現在(2021年8月現在)の保険適応は統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性となっています。

(24mgの口腔内崩壊錠は統合失調症と双極性障害における躁症状の改善のみの適応です。持続性注射剤は統合失調症、双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制となっています。)

アメリカでは統合失調症、双極Ⅰ型障害における躁病エピソード又は混合性エピソード、うつ病への追加療法、自閉スペクトラム症に伴う易刺激性、トゥレット症となっています。

統合失調症、双極性障害に対しては国内外で十分な実績がある薬ですが、うつ病における抗うつ薬の増強療法、強迫症(強迫性障害)におけるSSRIの増強療法においても高い有効性が示されており 5)、6)、7)(図9、10)、使用されることがあります。

また自閉スペクトラム症に伴う易刺激性、チックへの有効性も示されています 8)、9)、10)、11)。

  図9

うつ病治療に対する増強療法 薬剤による効果の比較

  図10

SSRI抵抗性の強迫症に対する増強療法 第2世代抗精神病薬間での効果の比較

注意点

アリピプラゾールは興奮、焦燥が見られる緊急入院を要するケースなどで、はじめから単剤で使用すると興奮、焦燥が強まる賦活化(activation:アクティベーション;SSRI開始後に不安、焦燥が生じるアクティベーションとは別)と呼ばれ状態が生じることがあります 12)。

そのため、興奮、焦燥が強い場合は、気分安定薬や静穏化作用を有する抗精神病薬を一時的に併用します。

また、アカシジアと呼ばれるじっとしていられない感覚や手足のムズムズする感覚が生じる副作用が生じることがあります。

通常どの抗精神病薬にもある副作用ですが、他の抗精神病薬では一般に用量を増量するに伴い頻度も上昇しますが、アリピプラゾールは生じ方に個人差が大きい傾向がみられます。

少量の内服でも不快な感覚が生じる場合もあれば、24mgの内服を継続しても生じない場合もあります。

頻度はまれですが、過去にギャンブル依存や衝動行為などの病歴がなかった人がアリピプラゾール内服開始後に病的なギャンブルや衝動的な行為が生じることがあります。

脳の大脳辺縁系と呼ばれるところは報酬系と呼ばれ衝動や依存症との関連が指摘されています。

大脳辺縁系のドパミンD3受容体が刺激されると衝動制御障害が起こると想定されています 13)。

アリピプラゾールがドパミンD2だけでなくD3に対しても部分活性化薬として作用することからこの症状が生じると考えられています 14)。

文献

  • 1)Bandelow B and Meie A. : Aripiprazole, a “dopamine-serotonin system stabilizer” in the treatment of psychosis. German J Psychiatry, 6 : 9-16, 2003.
  • 2)Huhn M, et al. : Comparative efficacy and tolerability of 32 oral antipsychotics for the acute treatment of adults with multi-episode schizophrenia: a systematic review and network meta-analysis. Lancet, 394 : 939-951, 2019.
  • 3)Koller D, et al. : Metabolic Effects of Aripiprazole and Olanzapine Multiple-Dose Treatment in a Randomised Crossover Clinical Trial in Healthy Volunteers: Association with Pharmacogenetics. Adv Ther, 38 : 1035-1054, 2021.
  • 4)Lodhi RJ, et al. : Changes in biomarkers of bone turnover in an aripiprazole add-on or switching study. Schizophr Res, 170 : 245-51, 2016.
  • 5)Zhou X, et al. : Comparative efficacy, acceptability, and tolerability of augmentation agents in treatment-resistant depression: systematic review and network meta-analysis. J Clin Psychiatry, 76 : e487-98, 2015.
  • 6)Dold M, et al. : Antipsychotic Augmentation of Serotonin Reuptake Inhibitors in Treatment-Resistant Obsessive-Compulsive Disorder: An Update Meta-Analysis of Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trials. Int J Neuropsychopharmacol, 18 : pyv047, 2015.
  • 7)Veale D, et al. : Atypical antipsychotic augmentation in SSRI treatment refractory obsessive-compulsive disorder: a systematic review and meta-analysis. BMC Psychiatry, 14 : 317, 2014.
  • 8)Hirsch LE and Pringsheim T. : Aripiprazole for autism spectrum disorders (ASD). Cochrane Database Syst Rev, 26 : CD009043, 2016.
  • 9)Ghanizadeh A, et al. : Aripiprazole for treating irritability in children & adolescents with autism: A systematic review. Indian J Med Res, 142 : 269-75, 2015.
  • 10)Yang CS, et al. : Aripiprazole for the treatment of tic disorders in children: a systematic review and meta-analysis. BMC Psychiatry, 15 : 179, 2015.
  • 11)Yang C, et al. : Comparative Efficacy and Safety of Antipsychotic Drugs for Tic Disorders: A Systematic Review and Bayesian Network Meta-Analysis. Pharmacopsychiatry. 52 : 7-15, 2019.
  • 12)Coley KC, et al. : Aripiprazole prescribing patterns and side effects in elderly psychiatric inpatients. J Psychiatr Pract, 15 : 150-3, 2009.
  • 13)Seeman P. : Parkinson's disease treatment may cause impulse-control disorder via dopamine D3 receptors. Synapse, 69 : 183-9, 2015.
  • 14)Moore TJ, et al. Reports of pathological gambling, hypersexuality, and compulsive shopping associated with dopamine receptor agonist drugs. JAMA Intern Med, 174 : 1930-3. 2014.
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