公開 2025.10.30
効果・作用
イリボーは腸の過剰の動きを抑制し、下痢型過敏性腸症候群の症状を改善する薬です。
腸のセロトニンの受容体(5-HT3)をブロックし、ストレスによる大腸輸送能亢進及び大腸水分輸送異常を改善し、排便亢進や下痢を抑制します。
また、求心性神経の神経終末に存在するセロトニンの受容体(5-HT3)をブロックすることにより、大腸痛覚の過敏を抑制し、腹痛及び内臓知覚過敏を改善します1)、(図1)。
図1 イリボーの作用機序

効能・効果
効能・効果は「下痢型過敏性腸症候群」となっています。
用法・用量
男性における下痢型過敏性腸症候群
通常、成人男性では、5μg を1 日1 回内服する。なお、症状により適宜増減するが、1 日最高量は10μg までとするとなっています。
女性における下痢型過敏性腸症候群
通常、成人女性では、2.5μg を1 日1 回内服する。なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1 日最高量は5μg までとするとなっています。
剤型
剤型は錠剤2.5μg、5μgと口腔内崩壊錠2.5μg、5μgがあります(図2)。
図2 イリボーの剤型

薬物動態
イリボー5μg錠を男性が内服した際の血中濃度は、約1.9時間後に最高濃度に達し、約7時間後に半減します(図3)。
図3 イリボー5μgを内服した際の血中濃度の推移

イリボー5μgを女性が内服すると、男性が5μgをした時と比較して、最高血中濃度が約1.5倍高くなります(図4)。
図4 イリボー5μgを内服した際の血中濃度の男女差

併用注意
併用注意に以下の薬剤が挙げられています
- フルボキサミン
(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。) - 抗コリン作用を有する薬剤
抗コリン剤・三環系抗うつ剤・フェノチアジン系薬剤・ モノアミン酸化酵素阻害剤等 (便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。) - 止しゃ剤
ロペラミド塩酸塩等 - アヘンアルカロイド系麻薬
アヘンチンキ等 (便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。)
副作用
承認時までの3%以上の副作用は以下でした。
- 硬便(14.84%)
- 便秘(10.29%)
- 腹部膨満(4.01%)
文献
- 1)Hirata T, et al.: Effects of serotonin 5-HT3 receptor antagonists on stress-induced colonic hyperalgesia and diarrhoea in rats: a comparative study with opioid receptor agonists, a muscarinic receptor antagonist and a synthetic polymer. Neurogastroenterol Motil, 20: 557-65, 2008.

- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる

- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症









