当院は成人の方が診療対象ですが、現在の新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛による児童・学童のストレスでのご質問を頂くことがあり、ストレス対処法について記載致します。
現在の状態は思うように遊びにも行けず、さらに先行きも不透明で、子どもたちにとっては未来が見えず希望が欠けてしまうかもしれません。
希望を取り戻す言葉として「大丈夫」と声をかけてあげて下さい。
しかし、ただ「大丈夫」とだけ声をかけるのではなく、「○○すれば大丈夫」と自分自身がかつて経験し、そこで得た知恵に基づいた言葉が力を持ちます1)。
大人の方も未知のウイルス感染症であり、かつて経験したことを元にと言われても難しいかもしれませんが、別の困難な状況を思い返して頂いて言葉をかけて頂ければと思います。
普段であれば、学校が終わった後や宿題・勉強後などに気晴らしとして好きなテレビ番組を見る、動画配信を見る、YouTubeを見るというのもストレス軽減に有効です。
ですが自粛期間で自由な時間が増え、そればかりで1日を占める状態は好ましくありません。
ある程度にとどめ、作画などのアート、工作、プログラミングなど能動的な趣味を行うことが好ましいです。
受け身だけの趣味よりも脳の活性化につながります。
趣味の活動をしていた人たちはそうでない人たちより心臓血管系の病気のリスクが低かったといく研究があります2)。
ストレスは心臓血管系の病気のリスクを高めることが分かっており3)、趣味の活動がストレス軽減を介し、心身への健康につながっていることが示唆されます。
外出自粛ではありますが、ジョギング等の運動のための外出は自粛の対象外です(マスク着用・またマスクに代替する口を覆うものを着用する、ソーシャルディスタンスの遵守等感染予防対策を十分とることは必要です)。
運動は不安やストレス関連疾患を減少させることが示されています4)。
お子さんが好きな音楽を聴くのも効果的です。
音楽を聴くとストレスホルモンであるコルチゾールというホルモンが低下することが分かっています5)。
まだ、ご自分で好きな音楽が選べない小さいお子さんであれば、クラシック音楽を流すなども良いかもしれません。
児童ではありませんが、成人の研究ではクラシック音楽を聴くことでストレスが低下した報告があります6)。
以上4点を簡単に図にまとめました。
お子さんのストレスが少しでも減って過ごして頂くことができればと思います。