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ブロマゼパム(レキソタン)の
特徴・作用・副作用

公開日 2023.5.22

作用・特徴

ブロマゼパム(レキソタン)は比較的強い抗不安作用を有し、抗不安作用以外の催眠作用・筋弛緩作用・抗けいれん作用は比較的弱いベンゾジアゼピン系抗不安薬です1)、(図1)。

図1 ブロマゼパム(レキソタン)の作用

ブロマゼパム(レキソタン)の作用

ジアゼパム誘導体で、ベンゾジアゼピン環の側鎖第7位部がブロモ基(Br)に置換されていることから、ブロマゼパムと一般名称がついています(図2)。

図2 ブロマゼパム(レキソタン)の化学構造式

ブロマゼパム(レキソタン)の化学構造式

剤型

剤型は錠剤が1mg錠、2mg錠、5mg錠と細粒1%があります(図3)。

図3 ブロマゼパム(先発医薬品名レキソタン)の剤型(錠剤)

ブロマゼパム(先発医薬品名レキソタン)の剤型(錠剤)

効能・効果

効能・効果は以下となっています。

ブロマゼパムは米国・英国では保険承認を得ていないものの、世界約60か国で不安に対し、保険承認を得て使用されています。

また、社交不安症(社交不安障害)に対する各薬剤の有効性と忍容性を比較した解析では、有効性において、ブロマゼパムが優れている結果が示されています2)、(図4)。

図4 社交不安症における薬剤の有効性の比較

社交不安症における薬剤の有効性の比較

用法・用量

神経症・うつ病の場合

神経症・うつ病の場合、通常、成人では1日6~15mgを1日2~3回に分けて内服します。

なお、年齢、症状により適宜増減します。

心身症の場合

心身症の場合、通常、成人では1日量3~6mgを1日2~3回に分けて内服します。

なお、年齢、症状により適宜増減します。

麻酔前投薬の場合

麻酔前投薬の場合、通常、成人では5mgを就寝前又は手術前に内服します。

なお、年齢、症状、疾患により適宜増減します。

薬物動態

ブロマゼパム6mgを1日1回内服した際は、血液中の濃度は約1.5時間で最高濃度に達し、約20時間後に半分に下がります3)、(図5)。

図5 ブロマゼパム(レキソタン)6mgを1回内服した際の血中濃度の推移

ブロマゼパム(レキソタン)6mgを1回内服した際の血中濃度の推移

内服後、肝臓で代謝され、おおよそ3日以内にほとんどが尿中に排泄されます4)。

食事による影響を受け、食後内服と比較して、空腹時に内服した方が血中濃度が高くなることが報告されています5)、(図6)。

図6 ブロマゼパム(レキソタン)10mgを食後と空腹時に内服した際の血中濃度の比較

ブロマゼパム(レキソタン)10mgを食後と空腹時に内服した際の血中濃度の比較

副作用

承認時迄及び承認時以降の調査において、調査症例数1,169例中474例(40.55%)に副作用が認められ、主なものは以下でした。

参考

執筆者:
高津心音メンタルクリニック
院長 宮本浩司

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