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SSRIと三環系抗うつ薬の年齢による効果の違い

公開日 2025.6.10

脳内の神経伝達系路・神経伝達物質は年齢により変化することが知られています。

代表的なものヒスタミン受容体があり、加齢で徐々に受容体が減少することが知られています1)。

若い頃は眠かった花粉症の薬も年をとるにつれて、徐々に眠くなくのるのはこのためです。

抗うつ薬が主として作用セロトニン、ノルアドレナリン伝達系路も年齢による変化があるとされています。

これらを踏まえ、2025年3月らにより、年齢によりセロトニン作動性抗うつ薬(SSRI)とノルアドレナリン作動性抗うつ薬(一部の三環系抗うつ薬四環系抗うつ薬)の年齢による効果の比較の解析の結果が発表されました2)。

セロトニン作動性抗うつ薬(SSRI)では、以下の薬剤が解析に含まれました。

ノルアドレナリン作動性抗うつ薬では、以下の薬剤が解析に含まれました。

  • イミプラミン(先発医薬品名:トフラニール)
  • アミトリプチリン(先発医薬品名:トリプタノール)
  • ノルトリプチリン(先発医薬品名:ノリトレン)
  • レボキセチン(日本未承認薬)
  • デシプラミン(販売中止)
  • マプロチリン(先発医薬品名:ルジオミール)
  • ドチエピン(日本未承認薬)
  • ミアンセリン(医薬品名:テトラミド)

(この中の薬剤で特にノルアドレナリンを中心に作用する薬剤はノルトリプチリン、マプロチリン、ミアンセリンです)

今回の解析ではSNRIは、ノルアドレナリンに対し、用量依存的な作用があるとい理由で解析から外されました。

結果は、若年者ではセロトニン作動性抗うつ薬(SSRI)の奏効率が高く、高齢者ではノルアドレナリン作動性抗うつ薬の奏効率が高い結果でした。

この結果は児童思春期のうつ病に対する薬剤の有効性の比較と高齢者のうつ病に対する薬剤の有効性の比較とおおむね一致する結果といえます3)、4)(図1,2)。

図1 思春期うつ病に対する抗うつ薬の有効性の比較(評価スケール:CDRS-R)

思春期うつ病に対する抗うつ薬の有効性の比較(評価スケール:CDRS-R)

図2 高齢者うつ病に対する抗うつ薬の有効性の比較

高齢者うつ病に対する抗うつ薬の有効性の比較

また、SSRIに反応する群は、三環系抗うつ薬に反応する群より年齢が若い結果でした。

図3 SSRIと三環系抗うつ薬の年齢による反応の違い

SSRIと三環系抗うつ薬の年齢による反応の違い

これらの結果の背景には、若年ではノルアドレナリン系神経伝達システムが十分成熟していないことと、加齢により大脳皮質のセロトニン受容体が減少することが関与すると筆者らは考察しています。

今回の結果は、従来の疫学研究の結果に重ね合わせ薬剤選択を検討することで、より効果的なうつ病治療に役立てることができるといえます。

うつ症状がある場合は、我慢せずに早めの心療内科・精神科への受診をおすすめします。

まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの相談です。

参考

  • 1) Yanai K, et al.: Age-dependent decrease in histamine H1 receptor in human brains revealed by PET. Neuroreport, 3: 433-6, 1992
  • 2) Ossola P, et al.: Effect of age on the response to serotonergic and noradrenergic antidepressants: A systematic review, meta-regression and individual participant data pooled analysis J Psychiatr Res, 183:133-143, 2025,
  • 3) Wu T, et al.: Comparative efficacy of antidepressant medication for adolescent depression: a network meta-analysis and systematic review. BMC Psychiatry, 25: 471, 2025.
  • 4) Krause M, et al.: Efficacy and tolerability of pharmacological and non-pharmacological interventions in older patients with major depressive disorder: A systematic review, pairwise and network meta-analysis. Eur Neuropsychopharmacol, 29: 1003-1022, 2019.

執筆者:高津心音メンタルクリニック 院長 宮本浩司

  • 精神保健指定医
  • 日本精神神経学会認定専門医・指導医

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