川崎市高津区溝の口の心療内科・精神科 高津心音メンタルクリニック

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ザズベイ(ズラノロン)の特徴・作用・副作用

公開日 2026.1.13

特徴・作用

ザズベイはGABAA受容体に作用し、GABAのシグナル伝達を促進することで抗うつ作用を発揮します1)、(図1)。

図1 ザズベイの作用機序①

ザズベイの作用機序①

より詳しくは以下のように作用します。

ザズベイは、神経ステロイドである内因性「アロプレグナノロン」のアナログであり、GABAA受容体のポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)として、抑制性シグナルを増強します。

ポストシナプス領域内には、主にαβγサブユニットで構成されるαβγ型GABAA受容体が、ポストシナプス領域外には、主にαβδサブユニットで構成されるαβδ型GABAA受容体が存在します。

ザズベイはαβγ型GABAA受容体とαβδ型GABAA受容体の両方に作用し、抑制性シグナルを増強することで、抗うつ作用を示すと考えられています(図2)。

図2 ザズベイの作用機序②

ザズベイの作用機序②

内服3日目から効果が得られる即効性と忍容性に優れている利点を有しています2)、(図3)。

図3 ザズベイの有効性

ザズベイの有効性

米国では、産後うつ病への効果が示されたことから3)、(図4)、2023年に初の産後経口抗うつ薬として、ザズベイ(米国医薬品名:ズルズバエ)を承認しています。

図4 ザズベイ:産後うつ病に対しての有効性(米国臨床試験)

ザズベイ:産後うつ病に対しての有効性(米国臨床試験)

開発経緯

ザズベイは内因性神経ステロイドのアロプレグナロンから開発されました(図5)。

図5 アロプレグナロンとザズベイの化学構造式

アロプレグナロンとザズベイの化学構造式

アロプレグナロン自体は、すでに米国でブレキサノロン(販売名:ズレッソ)の医薬品名で点滴薬の産後うつ病の治療薬として、2019年に承認を得ています。

効能・効果

効能・効果は「うつ病・うつ状態」となっています。

用法・用量

通常、成人では、30mgを1日1回14日間夕食後に内服する。なお、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から6週間以上の間隔をあけることとなっています。

薬物動態

ズラノロン30mgを食後に内服した際の血中濃度は、約5時間後に最高濃度に達し、約14時間後に半減します4)、(図6)。

図6 ザズベイ30mgを内服した際の血中濃度の推移

ザズベイ30mgを内服した際の血中濃度の推移

食後に内服すると、血中濃度が上昇することがわかっています。

ザズベイは主にCYP3Aによって代謝されます。

禁忌

禁忌として以下が設定されています。

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

併用注意

併用注意として以下が挙げられています。

  • CYP3Aを強く阻害する薬剤:HIVプロテアーゼ阻害剤、アゾール系抗真菌薬、クラリスロマイシン等
  • CYP3Aを誘導する薬剤:リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等
  • 中枢神経抑制作用を有する薬剤:ベンゾジアゼピン系薬剤、フェノチアジン系誘導体、バルビツール酸誘導体等
  • ミルタザピン、三環系・四環系抗うつ剤等
  • アルコール(飲酒)

副作用

主な副作用は以下が報告されています(図7)。

  • 傾眠(20%)
  • 浮動性めまい(5%)
  • 異常感(9%)
  • 悪心(5%)
  • 頭痛(3%)

図7 ザズベイの主な副作用

ザズベイの主な副作用

おひとりで悩んでいませんか?

うつ症状がある場合は、我慢せず早めの心療内科・精神科への受診をおすすめします。
まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの方法です。

文献

  • 1) Cutler AJ, et al.: Understanding the mechanism of action and clinical effects of neuroactive steroids and GABAergic compounds in major depressive disorder. Transl Psychiatry, 13: 228, 2023.
  • 2) Clayton AH, et al.: Zuranolone for the Treatment of Adults With Major Depressive Disorder: A Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Trial. Am J Psychiatry, 180: 676-684, 2023.
  • 3) Deligiannidis KM, et al.: Zuranolone for the Treatment of Postpartum Depression. Am J Psychiatry, 180 : 668-675, 2023.
  • 4) Sonoyama T, et al.: Pharmacokinetics, safety, and tolerability of single and multiple doses of zuranolone in Japanese and White healthy subjects: A phase 1 clinical trial. Neuropsychopharmacol Rep, 43: 346-358, 2023.

<執筆者>
川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
院長 宮本浩司

  • 精神保健指定医
  • 日本精神神経学会認定専門医・指導医

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