川崎市高津区溝の口の心療内科・精神科 高津心音メンタルクリニック

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ボルズィ(ボルノレキサント)の
特徴・作用・副作用

公開日 2026.1.23

特徴・作用

ボルズィは入眠効果に優れ、翌日に眠気が残ることが少ないことを特徴としています。

作用機序は、覚醒に関与する神経ペプチドであるオレキシンの受容体(OX1RおよびOX2R)への結合を選択的に阻害し、自然な睡眠状態への移行を促します(図1)。

図1 ボルズィの作用機序

ボルズィの作用機序

日本では、以下の順でオレキシン受容体拮抗薬として4剤目の不眠症治療薬となります。

  • ベルソムラ
  • デエビゴ
  • クービビック
  • ボルズィ

依存や耐性形成のリスクは低く、認知機能、記憶、呼吸機能に対する影響も安全性が認められています。

ボルズィの半減期は約1時間半から2時間と他のオレキシン受容体拮抗と比較して短く、翌日への持ち越し(翌朝の眠気)が少ないとされています1)、(図2)。

図2 各オレキシン受容体拮抗薬の血中濃度の推移

各オレキシン受容体拮抗薬の血中濃度の推移

構造はベルソムラ、クービビックと同じ、2H-1,2,3-トリアゾール環を有する構造となっています2)。

ボルズィはベルソムラ、クービビックと異なり、オキサアジナン環が組み込まれたため、脂溶性低減効果により、半減期が短い特徴があります(図3)。

図3 ベルソムラ・クービビック・ボルズィの化学構造式

ベルソムラ・クービビック・ボルズィの化学構造式

クービビックと同様にオレキシン1受容体、2受容体の阻害作用が強い(効果が強い)ことがわかっています2)、(図4)。

図4 各オレキシン受容体拮抗薬のオレキシン1受容体・2受容体阻害率の比較

各オレキシン受容体拮抗薬のオレキシン1受容体・2受容体阻害率の比較

効能・効果

保険承認における効能・効果は「不眠症」となっています。

用法・用量

通常、成人では1日1回5mgを就寝直前に内服する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととするとなっています。

剤型

剤型は2.5mg錠、5mg錠、10mg錠があります(図5)。

図5 ボルズィの剤型

ボルズィの剤型

薬物動態

ボルズィ5mgを内服した際の血中濃度の推移は、内服後約30分で最高血中濃度に達し、約2時間で半減します(図6)。

図6 ボルズィ5mgを内服した際の血中濃度の推移

ボルズィ5mgを内服した際の血中濃度の推移

ボルズィ10mgを空腹時に内服した際の血中濃度の推移は、内服後約30で最高血中濃度に達しましたが、食後内服では、1時間30分後に最高血中濃度に達しました(図7)。

図7 空腹時及び食後内服時のボルズィの血中濃度の推移

空腹時及び食後内服時のボルズィの血中濃度の推移

ボルズィは主としてCYP3A4によって代謝されます。

併用禁忌

併用禁忌として以下が挙げられています。

  • イトラコナゾール(イトリゾール)
  • ポサコナゾール(ノクサフィル)
  • ボリコナゾール(ブイフェンド)
  • クラリスロマイシン(クラリス)(クラリシッド)
  • リトナビル含有製剤(ノービア)(カレトラ)(パキロビッド)
  • エンシトレルビルフマル酸(ゾコーバ)
  • コビシスタット含有製剤 (ゲンボイヤ)(シムツーザ)(プレジコビックス)
  • セリチニブ(ジカディア)

副作用

長期投与試験での3%以上の副作用は傾眠(3.8%)のみでした。

不眠症状がある場合は、我慢せずに早めの心療内科・精神科の受診をおすすめします。

まずはかかりつけ内科等で相談するのも1つの方法です。

おひとりで悩んでいませんか?

不眠症状がある場合は、我慢せず早めの心療内科・精神科への受診をおすすめします。
まずはかかりつけ内科等で相談するのも1つの方法です。

文献

  • 1) Kambe D, et al.: Pharmacokinetics, pharmacodynamics and safety profile of the dual orexin receptor antagonist vornorexant/TS-142 in healthy Japanese participants following single/multiple dosing: Randomized, double-blind, placebo-controlled phase-1 studies. Basic Clin Pharmacol Toxicol, 133: 576-591, 2023.
  • 2) Futamura A, et al.: Discovery of ORN0829, a potent dual orexin 1/2 receptor antagonist for the treatment of insomnia. Bioorg Med Chem, 28: 115489, 2020.

<執筆者>
川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
院長 宮本浩司

  • 精神保健指定医
  • 日本精神神経学会認定専門医・指導医

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