公開日 2025.6.30
うつ病では、セロトニンはドパミンなどの脳内物質だけでなく、炎症や免疫が大きく関与していることが、近年わかってきています1)。
個々のウイルス感染とうつ病のリスクも報告されていました。
季節の変わり目では、ヘルペスウイルス1型の再活性化による口唇ヘルペスや水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化による帯状疱疹が生じることが少なくありません。
また、気分の落ち込みとヘルペスが、相互に関連してみられることもあります。
ヘルペスウイルス再活性化とうつ病の間に関連性はあるのでしょうか?
2025年4月、Shafieeらは、ヘルペスウイルス再活性化とうつ病の関連性を解析し、報告しました。
ヘルペスウイルスの種類
ヘルペスウイルスは以下の8種があります。
- 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)
- 単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)
- 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
- サイトメガロウイルス(CMV)
- エプスタイン・バーウイルス(EBV)
- ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6、A型およびB型)
- ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)
- カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(HHV-8)
報告では、体内でのヘルペスウイルスの再活性化とうつ病には関連性がある結果でした。
個々のウイルスでは、HSV-2の再活性化はうつ病のリスクが約1.8倍(OR=1.83)、EBVは約2倍(OR=1.99)でした(図1)。
図1 ヘルペスウィルス再活性化とうつ病リスクの関連
一方で、うつ病に罹患していると、EBVが再活性化するリスクが約2倍(OR=2.18)であり、VZVが再活性化するリスクは軽度でした(OR=1.09)、(図2)。
図2 うつ病とヘルペスウィルス再活性化リスクの関連
今回の結果からは、ヘルペスウイルス感染とうつ病の関連が有意あることがわかりました。
うつ病予防や再発予防のため、特にHSV-2、EBV保有者では、疲労に注意することや、季節の変わり目の免疫低下に注意し、再活性化を防ぐことが重要といえそうです。
おひとりで悩んでいませんか?

まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの方法です。
参考
- 1) Beurel E, et al.: The Bidirectional Relationship of Depression and Inflammation: Double Trouble. Neuron, 107: 234-256, 2020.
- 2) Shafiee A, et al.: Bidirectional relationship between human herpes virus reactivation and depression: a systematic review and meta-analysis. J Neurovirol, 31: 145-153, 2025.
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- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症