公開日 2025.05.26
近年、栄養学の視点からうつ病の治療を行う精神栄養学の研究がすすんでいます。
適切な食事はうつ病の改善に効果的で、地中海式食などのうつ症状に対する有効性も報告されています1)。
しかし、食事だけで十分栄養を補えない場合や、うつ状態で食事摂取が進まない場合はサプリメントが利用されることもあります。
抗うつ薬とどのサプリメントの組み合わせがうつ病の改善に効果的については、報告が一貫していませんでした。
2025年5月、Chengらは、うつ病における栄養補助食品の有効性の比較の解析を報告しました2)。
その中で、うつ症状の改善に有効な抗うつ薬とサプリメントの組み合わせは以下の結果でした(図1)。
- 抗うつ薬+サフラン
- 抗うつ薬+Lテアニン
- 抗うつ薬+アミノ酸
- 抗うつ薬+ビタミンB12
- 抗うつ薬+カルニチン
- 抗うつ薬+亜鉛
- 抗うつ薬+イチョウ葉
- 抗うつ薬+トリプトファン
- 抗うつ薬+クレアチン
- 抗うつ薬+EPA+DHA
- 抗うつ薬+クルクミン
- 抗うつ薬+S-アデノシルメチオニン
- 抗うつ薬+ビタミンD
図1 うつ病に対する抗うつ薬+サプリメントの有効性の比較
栄養補助食品単体では、以下が有効でした。
- 亜鉛
- カルニチン
- ロディオラ・ロゼア
- ビタミンD
- サフラン
- EPA+DHA
- S-アデノシルメチオニン
- セントジョーンズワート
栄養療法を考慮した治療でより効果的なうつ病治療が期待できると考えられます。
参考
- 1) Bizzozero-Peroni B, et al.: The impact of the Mediterranean diet on alleviating depressive symptoms in adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Nutr Rev, 83: 29-39, 2025.
- 2) Cheng YC, et al.: Comparative efficacy and tolerability of nutraceuticals for depressive disorder: A systematic review and network meta-analysis. Psychol Med, 55:e134, 2025.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症