公開日 2025.9.12
特徴・作用
ゾテピン(ロドピン)はMARTA(多元受容体標的化抗精神病薬)に似た作用をもち、統合失調症の幻覚妄想、双極性障害の躁状態を改善します。
ドパミンD2受容体を含めた、各受容体への親和性はMARTAに似ていることがわかっています1)、(図1)。
図1 ゾデピン・クロザピン・オランザピンの薬理プロファイル
構造式もMARTAに似た構造を有します(図2)。
図2 ゾデピンとMARTAの構造式
藤沢薬品(現 アステラス製薬)によって開発され、1981年に統合失調症に対する承認を得ました。
古い薬ですが、抗躁作用にも優れており2)、現在でも他の抗躁作用薬で効果が得られない時に使用されます。
効能・効果
保険承認における効能・効果は「統合失調症」となっています。
用法・用量
通常成人1日75~150mgを分割内服する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日450mgまで増量することができるとなっています。
剤型
剤型は25mg錠、50mg錠、100mg錠、細粒10%、細粒50%があります(図3)。
図3 ロドピン錠の剤型
薬物動態
ゾテピン50mgを内服した際の血中濃度は、約2.2時間後に最高濃度に達し、約12.8時間後に半減します(図4)。
図4 ゾデピン(ロドピン)50mgを内服した際の血中濃度の推移
ゾテピンはN-脱メチル化、N 又はS-酸化の他、芳香環の水酸化及びそれに続く抱合が主要な代謝経路であり、活性代謝物であるノルゾテピンが主要代謝物とされています。
肝臓では主としてCYP3A4が関与するとされています3)、(図5)。
図5 ゾデピン(ロドピン)の代謝経路
副作用
承認時までの調査による3%以上の副作用は以下でした(図6)。
- 不眠(14.75%)
- 便秘(7.9%)
- 手指振戦(6.85%)
- 嘔気(6.74%)
- 流涎(5.57%)
- 口渇(4.53%)
- アカシジア(4.3%)
- 筋強剛(3.95%)
- パーキンソン症候群(3.6%)
- めまい(3.48%)
- 神経過敏(3.25%)
- 食欲不振(3.25%)
- 構音障害(3.14%)
- 嘔吐(3.02%)
図6 ゾデピン(ロドピン)の主な副作用
ゾテピンは上記以外にけいれんや低尿酸血症をおこすことがあります。
文献
- 1) 黒木 俊秀.: ゾテピンの薬理学的プロフィール一非定型抗精神病薬としての位置付け一. Pharma Medica, 8: 131-136, 1999.
- 2) Chan HY, et al.: A single-blind, comparative study of zotepine versus haloperidol in combination with a mood stabilizer for patients with moderate-to-severe mania. Psychiatry Clin Neurosci, 64: 162-9, 2010.
- 3) Shiraga T, et al.: Identification of cytochrome P450 enzymes involved in the metabolism of zotepine, an antipsychotic drug, in human liver microsomes. Xenobiotica, 29: 217-29, 1999.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症