公開日 2025.11.06
近年、自閉スペクトラム症(ASD)とパーキンソン病の間で、ドパミン系や遺伝子を含めた、疾患の共通のリスクがあると指摘されています1)、2)。
その一方で、ASDとパーキンソン病の関係を示す、明確な研究は示されていませんでした。
2025年7月、Yinらは、スウェーデンでのデータを用いて、ASDとパーキンソン病のリスクの関係性を解析しました3)。
解析の結果、ASD当時者は、パーキンソン病になるリスクが、非ASD者と比べ、4.5倍高い結果でした。
図1 ASDのパーキンソン病リスク

早産はASDのリスクですが、パーキンソン病の発症リスクには関与していませんでした。
うつ病発症はASDと無関係にパーキンソン病のリスクとなっていました。
抗精神病薬服用歴は、パーキンソン病のリスクでした。
それでは、このリスクに対する予防的な介入はあるのでしょうか?
ASD当事者では口腔内衛生管理が難しい現実があり、齲歯(虫歯)や歯周病が生じやくなります4)。
歯周病はパーキンソン病発症のリスクになることがわかっています5)。
これには、歯周病の炎症が線条体のドパミン神経作動系を悪化させることが関与していることが示されています6)。
このことから、とても難しいことではありますが、早期からの口腔内衛生管理は、1つの予防的介入になりうると考えられます。
文献
- 1) Mai AS, et al.: Linking autism spectrum disorders and parkinsonism: clinical and genetic association. Ann Clin Transl Neurol, 10: 484-496, 2023.
- 2) Kosillo P, Bateup HS.: Dopaminergic Dysregulation in Syndromic Autism Spectrum Disorders: Insights From Genetic Mouse Models. Front Neural Circuits, 15:700968, 2021.
- 3) Yin W, et al.: Risk of Parkinson Disease in Individuals With Autism Spectrum Disorder. JAMA Neurol, 82: 687-695, 2025.
- 4) Ferrazzano GF, et al.: Autism spectrum disorders and oral health status: review of the literature. Eur J Paediatr Dent, 21: 9-12, 2020.
- 5) Bai XB, et al.: Oral pathogens exacerbate Parkinson's disease by promoting Th1 cell infiltration in mice. Microbiome, 11: 254, 2023.
- 6) Jacob G, et al.: Experimental Periodontitis Worsens Dopaminergic Neuronal Degeneration. J Clin Periodontol, 52: 159-170, 2025.

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